アジアにおけるエンプソン:三ヵ国語の文献索引データベース

アジアにおけるエンプソン:三ヵ国語の文献索引データベース

 

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写真で提示しているのは、およそ1932年にウィリアム・エムプソンと東京文理大学の学生である。撮影した場所は、嘗て文理大学の敷地内にある、東京都文京区の泉州園(占春園)という庭園である。エンプソンの同僚且つ友人の福原林太郎は左端。研究社の許可を得て、福原氏の選集『英文学評論』 / 『福原麟太郎著作集』 10(東京:研究社、1969)よりここで画像させて頂き、感謝を申し上げたい。(画像はイーウィック・デーッヴィッド/武田香乃より)

写真で提示しているのは、およそ1932年にウィリアム・エムプソンと東京文理大学の学生である。撮影した場所は、嘗て文理大学の敷地内にある、東京都文京区の泉州園(占春園)という庭園である。エンプソンの同僚且つ友人の福原林太郎は左端。研究社の許可を得て、福原氏の選集『英文学評論』 / 『福原麟太郎著作集』 10(東京:研究社、1969)よりここで画像させて頂き、感謝を申し上げたい。(画像はイーウィック・デーッヴィッド/武田香乃より)

この三ヵ国語版の文献索引は、四種類の文献が載せられている:①中国や日本で出版されたウィリアム・エムプソンの作品、②エムプソン作品の中国語・日本語訳書、③中国や日本におけるエンプソンへの回想もしくは追憶、④エンプソンの時代から21世紀にかけて中国や日本におけるエンプソン研究・論評。また中国語で執筆されたり重要視すべきだと判断されたりするエンプソンに関する修論や博論まで包含するのである。

東京、武漢、香港を拠点にするそれぞれの研究チームは努力し、なるべく早期の出版したハードコピーで発見された遺漏や誤りを修正しようとした。私たちは国立国会図書館、日本国立情報学研究所、中国国立図書館、中国知識資源統合データベース、読秀学術調査という五つの電子データベースを通して、文献の真偽を確認した。

信憑性が高い目録を作成するように、各チームは順調に進んでいた。それにもかかわらず、日本語及び中国語のエンプソン研究関係の文献を整理し、完璧な目録索引を作成することは依然として難しいのである。中国語と日本語で書かれ、或いは翻訳された文献の見出しを校正することを試みると、いわゆる「ゴーストエントリ」という問題がしばしば発生し、我々を悩ましていた。

換言すれば、今まで英語圏におけるエンプソン研究では、日本語や中国語の文献が引用される際、英訳の資料しか載っていなかったのである。この様な誤る仕方は、本末転倒と言っても過言ではなく、しかも逐語的なバックトランスレーション(逆翻訳、つまり英語から元の中国語もしくは日本語漢字を推測すること)から生じた矛盾を孕んでいた。原文の見出しなどの資料が不全しているため、作業はほぼ不能であった。

以上の困難を踏まえ、この目録が有用かつ最新であるものを確保できるように、これからも他の専門家の協力下で修正すべきだと存じる。そのため、公衆アクセスサーバーの上で構築されたこの「アジアにおけるエンプソン」をご覧になる使用者たちは、特別に現在の文献を更新や新しい文献を追加することができる。常に最新で蓄積することができるデータベースを構築する目的として、修正した情報は検証の上で正式的に更新されることとなる。

最後に、このプロジェクトが予期された結果の一つは、三ヵ国語版におけるあらゆる見出しを、標準のダブリン・コア(Dublin Core Schema)にコード化することである。OPACインターフェースで読み取り可能なDCSコーディングにより、世界中の図書館員もどこにでも使用者のためにエンプソンの文献をアクセスし手に入れることができる。

DCSや、日本語もしくは中国語に不慣れな海外学者や学生は、同サイトにある、MSワード形式で載せられている「イングリッシュフレンドリー」(English-friendly)というフィールに頼ることができる。「イングリッシュフレンドリー」では、見出しの資料が同時に英語及び中国語もしくは日本語で載せられて、専門家ではない方も、この三ヵ国語版の「イングリッシュフレンドリー」をエンプソン研究の入口として参照することができる。なお、日本語や中国語に支障がない使用者が、このアジアにおけるウィリアム・エンプソン研究文献を基礎にして更に自らの研究を進めることができるように願いたい。